どら焼き開発、3校共同の証し 穂商・南農・池工が統合前に

穂高商業高校(安曇野市)、南安曇農業高校(同)、池田工業高校(池田町)の3校が米粉どら焼きを共同開発した。県の高校再編計画で安曇野総合技術新校(仮称)に統合予定で、「3校がなくなっても記憶を残すシンボルにしたい」「生徒が手を取り合った証し」として企画。26日に穂高商業で開かれる穂商フェアで披露し500個販売する。
丸山菓子舗(本店・安曇野市穂高)が協力した。穂高商業の3年生6人の探究活動「穂商バージョンアップ講座」が企画し、南安曇農業が飼育しているニワトリの卵を提供。池田工業が3校の校章から着想した鳥、花、葉をモチーフに焼き印をデザインした。
名称は、3校それぞれの頭文字(南安曇農業の南は「なん」と音読み)を取って「いなほ」とした。味は「塩キャラメル」「塩おれんじ」の2種類。「敵に塩を送る」の故事に倣い、塩には「手を取り合う」という意味を込めた。包装袋の外帯には米のキャラクターを描いた。3校の投票で名前を決める。
同講座は、統合に対する地域住民のマイナスなイメージを拭いたいと、3校共同の商品開発を発案した。プリンやケーキなど数ある候補の中から、年代や性別を問わずに愛されているどら焼きに着目した。丸山菓子舗の若手スタッフ2人と打ち合わせを重ねて2種類にたどり着いた。
同講座のメンバーで生徒会長の小沢伸二さんは「統合に対する後ろ向きな意見を変えたい。どら焼きには安曇野の良さを詰め込んでいる」とPRする。丸山菓子舗の丸山明男社長は「声を掛けていただいて光栄。物語が大事で、そこに商品の価値がある」と共同開発をたたえていた。
どら焼きは税込みで一つ250円。穂商フェアは午前10時半から午後2時まで。