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松本市のおくやみ窓口好評 手続き時間短縮で遺族の負担軽減

東庁舎1階に設置された「おくやみ窓口」。1日当たり4人に対応できる

 松本市が7月に開設した、死亡届を提出する遺族の手続きにワンストップで対応する「おくやみ窓口」が市民から「利用しやすい」と高い評価を得ている。市が利用者に実施したアンケートでは「1カ所で手続きができて大変助かる」「書類を提出する手順が分かりやすかった」といった意見が寄せられた。窓口の稼働率は8月が63.1%、9月は75%に及び、市は手応えを得ている。

 窓口は市役所東庁舎1階の市民課年金窓口の隣にある。受け付け人数は1日当たり最大4人で、時間は午前9時、10時半、午後1時半、3時。予約で利用でき、葬儀会社からの紹介で窓口を知った利用者がほとんどだった。
 従来は市役所で死亡届を提出した後、保険証の返却、葬祭給付金の申請など必要な手続きを確認し、最大で12課も回る必要があった。手続きを1カ所にまとめたことで、半日かかっていた手続きが1時間ほどに短縮された。
 アンケートでは、1カ所で手続きを済ませる利便性の高さを評価し、「分からないことを丁寧に教えてくれた」と職員の対応を評価する意見があった。担当職員を増やし、1日当たりの受け付け人数を増やせばどうかとの提案もあった。
 専用窓口の開設は県内19市では中野、長野市に続いて3番目で、中信地域では塩尻市も9月に始めた。市民課の塩野﨑隆夫課長は「家族を失い、心労がピークになっている遺族に寄り添う対応を心掛けていきたい。少しでも遺族の負担を減らすことができればうれしい」と話していた。