松本市が開設検討の特別支援学校は段階的に 市教委が来年度に準備室
松本市は、市内の小中学校への併設を検討している市立特別支援学校について、県立特別支援学校の分教室として開校し、段階的に開設する方向で検討を始めた。老朽化して手狭になっている県松本養護学校(今井)か県寿台養護学校(寿豊丘)の分教室を設け、運営の専門知識を得る方針。来年度に市教育委員会内に「設置準備室」を置き、具体的な場所の選定や開設時期を決める。
昨年4月、臥雲義尚市長と阿部守一知事との懇談が発端となり、県と中核市の松本市が協力して検討に着手した。市は県に対し、設置準備室に教員の派遣を求めており、設置準備室は学校教育課長と学校施設担当課長の2人が室長を兼務する。
市教育委員会は昨年度と本年度に2回、小学校併設の市立の特別支援学校がある須坂市を視察。市立須坂小学校に併設されている市立須坂支援学校は、長野養護学校小学部(長野市)の須坂分教室から段階的に開設した経緯がある。
須坂市のケースでは分教室を置いてから1年後に支援学校の開設にこぎ着けた。市立の特別支援学校は県内では須坂市のみで、松本に設置されれば2例目となる。分教室の開設時は受け入れる学年数を制限し、段階を追って学年数を増やしていく考えだ。
県松本養護学校と県寿台養護学校は市南部にあることから、市は北部を設置地域としている。市教委の坂口俊樹・教育監は「今後の検討によっては範囲を広げる可能性もある。準備室を設置することで丁寧に検討を進めていきたい」と話している。