漆工品・木工品の共同工房 塩尻・木曽平沢にシェア工房タカキヤ

塩尻市楢川地区を拠点とする一般社団法人・生活民芸舎は今夏、同市木曽平沢に誰でも漆工品や木工品を制作できる「シェア工房タカキヤ」を開設した。駆け出しの作家や技術専門校の学生など、まだ十分な制作スペースを確保できない人が対象で、作業場所と工具、漆関連の道具を貸し、作り手を支援する。
生活民芸舎は奈良井宿で木曽路の工芸品を販売、紹介する店「土‐とおいち」を運営している。発信拠点に加えて今回は、漆工、木工に携わる人をサポートする制作拠点を設けることにした。
シェア工房はものづくりの伝統が息づく木曽平沢にある明治中期の古い建物に整えた。「タカキヤ」はこの建物の屋号という。工房の面積は約40平方メートルで、作業スペースだけでなく、工具(丸のこ、インパクトドライバー、自動カンナなど)や漆関連の材料や道具(生漆、ベンジン、はけ、筆、作業台など)を用意するのが特徴だ。使用料は1日500円、半年で5000円と格安だ。利用する際は事前に予約する。音の出る作業は午前9時~午後6時に行う。これまで3組ほどが利用したという。
月1回は、作家が在廊する日(次回は9月1日に予定)を設けており、技法や材料の確保先などを質問できる。今後はキッチンやシャワーなども整備して泊まり込みで制作できる環境を整える。「漆器を作る旅」と銘打ち、1~2泊をしながら制作体験ができる機会も設ける予定だ。生活民芸舎の佐藤布武さん(37)、あゆさん(31)夫妻=塩尻市木曽平沢=「ものづくりに携わる人を支援し、増やしていきたい」と話している。問い合わせは「土‐とおいち」のインスタグラム(tooichi.narai)へ。