松本市の地区公民館を若者に開放 学習や遊びの「居場所」に
松本市は1日、各地区公民館に若者向けのフリースペースをつくる新事業を始めた。公民館職員や地域の大人が見守る中で、学習やゲーム、仲間との交流など自由に過ごせる「居場所」とし、若者が地域とつながるきっかけにしていく。少子高齢化が進む中、将来の地域の担い手づくりにもつなげる。
まずは、施設の準備が整った庄内、第三、城東、白板、島内、芳川、寿の7地区で始め、全35地区に順次拡大していく。7地区のフリースペースには机と椅子を準備し、Wi―Fiと電源を使えるようにした。
公民館職員がいない週末や祝日、夜間などの見守りは地域の団体に委託していく考えで、市は委託費用として本年度一般会計補正予算に332万円を計上した。当初は松本シルバー人材センターに委託する地区が多いが順次移行していく。
先行7地区のうち、庄内地区子ども会育成会(西口恵利子会長)が見守りを請け負うことになった庄内地区公民館(梶山三男館長)では、地区内の各種団体に声をかけてボランティア約20人を集めた。先月末には、けがや急病などにどう対応するかの研修会も開催。西口会長は「子供のためならと大勢が協力してくれた。道端で子供たちとあいさつできるような関係を築いていきたい」と意気込む。
庄内地区公民館に初日に訪れた松本深志高校3年生は「家から近いし、涼しくて静かでいい。家で勉強するよりはかどる」と喜び、西口さんらに感謝していた。
若者の居場所づくりの要望はこれまで「市長への手紙」にも寄せられてきた。臥雲義尚市長は31日の定例記者会見で「10代後半の公民館利用が少ないというデータがある。これがきっかけになり地域に若者の居場所ができ、定着につながれば」と話した。