制服や体操服の再活用探る 塩尻のNPO法人と丘中学校

卒業などで着なくなった学校の制服や体操服(運動着)を集め、必要な家庭に届ける「制服リユース」の需要を探ろうと、塩尻市広丘吉田のNPO法人えんしょく(中村小太郎理事長)と、同市広丘野村の丘中学校(黒沢幸喜校長)が今年、実証実験を始める。丘中に回収用ボックスを置き、保護者や卒業生から募る。集まった制服や体操服は10月に無料で再配布する予定だ。
丘中のように制服がブレザーで、体操服、その他の一式をそろえると、入学前に10万円近くの出費になることもあるという。ただ、卒業後は着ないため家庭で保管し続けている人は少なくない。えんしょくは、着なくなった子供服などを持ち寄り、必要な人がもらっていい「おさがり会」を市内2カ所で開いており、中村理事長は「制服も必要な人に使ってもらえるのなら提供したいと考える人がいるのではないか」と考え、地元の丘中に実証実験を提案した。
同校にも今春、卒業生の保護者などから「不用な制服を受け取ってほしい」という問い合わせが3件ほどあったという。黒沢校長は「まだ着られるのに捨てられるのはもったいない。回収を目にすることで、子供たちも物を大切にすることを学ぶ機会になるのではないか」と話す。
回収ボックス「おさがりコンテナ」は丘中の正面玄関付近に置き、開校日に受け付ける。服に入っている名前の刺しゅうは、地元の就労継続支援事業所の協力を得て取り除く。11月頃には毎年、制服の採寸会があるため、その前に必要な人に届けようと、再配布は10月6日に吉田地区の吉田東公民館で開く「おさがり会」の中で行う。
問い合わせはえんしょく(電話080・6649・9922)へ。