連載・特集

2024.7.25 みすず野

 一日の最高気温が36度、37度などという日は、屋外を歩いていて吹いてくる風が熱風のようだ。ここは避暑に来るための別荘が建つ信州ではないのかと、誰にともなく愚痴りたくなる◆「熱中症予防あの手この手」の記事が、昨日付の紙面に載った。屋外で仕事をされる人たちの対策を、何度もうなずきながら読んだ。出勤時に毎朝通る建設工事の現場は、ちょうど作業に携わる人たちが集まる時間で、ファンの付いた作業着を着用する様子が見られる◆地区の組合で、斜面を覆う雑木を伐採する作業をしたのは10年以上前の今頃。暑い日で慣れない斜面に足を踏ん張りながら、誰もが汗だくだった。ぼうっとしていたのかもしれない。エンジンをかけたままのチェーンソーの刃が、左足膝の内側に触れた。痛みはほとんどなく、出血もわずかだったが、急用ができたと仲間に告げて、気付かれないように現場を離れた◆治療のための麻酔注射の方がよほど痛かった。縫ったのは7針。この程度で済んでよかったと思いながら、暑さの恐ろしさを知った。刈り払い機での草刈りなど、日中の作業は避けた方が賢明だ。猛烈な暑さは注意力を奪う。