地域の話題

塩尻・田川の郷手作り会がデイサービスで工作手ほどき

一緒に制作をして楽しむ会員(右)と利用者

 塩尻市広丘吉田の複合施設・ふれあいセンター田川の郷で、施設内で活動し、手芸品を作っている市民サークル「田川の郷手作り会」の会員と、館内のデイサービスセンターの利用者が工作を通じて交流を始めた。日頃の活動を生かして、会員が初めて先生役を務める。利用者も地域の人に教わることを喜び、創作意欲をみせている。

 手作り会は、紙や布を材料に小物を作っており、老人福祉センターを15年ほど前から利用している。ふれあいセンターの塩原学所長が「趣味の枠を超えて講師を」と、デイサービスセンターとの交流を依頼した。会員らは、お年寄りが無理なく作れるよう、短時間でできる物を題材に選び、作品の一部分を事前に作って下準備をしておく工夫をしている。
 5月の初回に続いて、7月11日に2回目の交流があった。60~80代の会員5人と、サークル講師で工芸作家の秋山啓子さん(76)=松本市岡田伊深、70~90代の利用者10人が参加した。三角形に折った紙ナプキン数十個を貼り合わせて、ハスの花の形に仕立てた。
 女性利用者(96)は「豪華なお花ができた。この年齢でもまだまだ手が動く」とやる気を高めていた。発足時からの会員の塩原平一さん(80)=広丘吉田=は「自分が教えて喜んでもらえることがうれしい」と話していた。
 年3回ほど交流するという。塩原所長は「認知症の利用者さんの家族が、作品の出来栄えを見て驚いている。職員も、利用者の別の一面の発見になる。みんなの笑顔が見られることが一番」と意義を話していた。