勘三郎さん偲ぶ会に会わせて 感謝の灯籠点灯へ

松本市の松本城本丸庭園で14日夜に開かれる歌舞伎俳優の中村勘三郎さんを偲ぶ会に合わせ、お城周辺の街づくりを考える住民組織「松本城・三の丸倶楽部」(齊藤忠政代表)が、松本城に至る大名町通りに灯籠をともす。15日まで開催中の「信州・まつもと大歌舞伎」のロゴと、歌舞伎俳優のくまどりがデザインされた灯籠約30個を自作し、午後7時ころに一斉点灯する。
今年の大歌舞伎の演目に七夕が題材の「流星」があったことから、三の丸倶楽部の役員たちが演出を考案した。灯籠は縦45センチ、横36センチ、奥行き26センチ。黒色の段ボール箱の中に投光機を入れ、繰り抜いた所に和紙を張って柔らかい光がもれるように工夫した。
11日は三の丸倶楽部の5人が大名町のビルの一室に集まり、灯籠を組み立てる作業をした。メンバーの大宮小依さんは「松本に大歌舞伎を定着させてくれた勘三郎さんを偲び、訪れた人たちの心が温かくなる演出でおもてなしをしたい」と話した。
14日は大名町通りの9店舗が営業時間を延長する。松本城大手門枡形跡広場に七夕飾りを施し、おやきや梅ソーダなどを扱う飲食ブースを設ける。通り沿いの市立博物館は1階スペースのみ通常の閉館時刻の午後9時以降も開け、トイレや休憩場所で使えるようにする。雨天の場合は、偲ぶ会と合わせて中止となる。
信州・まつもと大歌舞伎は13日、会場のまつもと市民芸術館(松本市深志3)で2日目の2公演が行われ、計2800人が来場した。14日と15日はそれぞれ正午から公演があり、開演1時間前から当日券を扱う。