ヘルスアップ委員の公募 17年ぶり再開 塩尻市

塩尻市は本年度、健康増進活動に取り組む組織・市ヘルスアップ委員の公募を、平成19(2007)年度以来17年ぶりに再開した。負担軽減の観点から各区の委員選出を選択制としたのに伴い、従来の地区推薦委員が減ったためだ。委員会のあり方を見直しており、健康知識を積極的に学びたい人を集めて、健康づくりの輪を広げる。
本年度の委員は139人で、内訳は地区推薦が106人(新規36人、任期1~2年)、任期終了後の継続が28人、公募が5人。昨年度の166人に比べ全体で2割弱減った。全10地区に委員はいるが、任期の切り替えで13人が2人に減った地区もある。
市は委員になる動機付けとして、委員限定の「ラジッコイン事業」を企画。セミナーに参加するとポイントがたまり、景品が出る。地区別講座に、他地区委員も参加可能とした。「結果、健康」を合言葉に、地域還元より市民個人が主体的に健康になることを主軸に据える。このほか、年7回開くセミナーなどを通じて健康知識を習得している。
過去の区長会調査で、ヘルスアップ委員は「あまり必要性を感じない」役職の筆頭だった。昨年度、過去3年間の委員経験者350人を対象に市が行ったアンケート調査には50.8%に当たる178人が回答した。うち161人が「自分が健康になった」「知識が身についた」と答えた一方、委員が習得した知識を地域に還元できたとしたのは3割程度(59人)にとどまり、委員の活動が地域への広がりに欠ける実態もうかがえた。
委員は、年7回開くセミナーなどを通じて健康知識を習得している。保健補導員を経て平成17年に現在の名称に変更。当初は公募もしたが、各区の委員数の偏りをなくすため、地区推薦のみにした。
地区推薦の委員は高齢化などを背景に、来年度以降も減少が見込まれる。公募委員は随時募集している。