松本市が宿泊業の「脱プラ」後押し 歯ブラシなど代替品転換で経費補助

「2050ゼロカーボンシティ」を掲げる松本市は、1度の使用で廃棄されるプラスチック「ワンウェイプラスチック」の削減を進めるため、「事業者の脱プラ」を後押しする取り組みを始める。宿泊業者らが歯ブラシやヘアブラシ、ハンガーを、自然素材などを活用したバイオプラスチックなどの代替品に転換する際の経費を補助する。市環境・地域エネルギー課によると県内初となる。
入浴・洗顔用品などのアメニティーグッズ持参を推進する「まつもとエコ旅宣言」(令和4年11月)をした宿泊業者らが対象。これらの業者は、4年度に施行された「プラスチック資源循環促進法」で「特定プラスチック使用製品」に指定された12品目を代替品に変える努力が求められていることから、市が補助金を出して転換を後押しする狙いだ。
代替品の購入による増額分を、事業者の規模によりそれぞれ年5万、10万、15万円を上限に支給する。期間は8年度までの3年間を予定しており、本年度分の予算は500万円を確保した。
事業者からは「代替品転換のきっかけになる」と歓迎する声がある一方、松本がゼロカーボン推進に取り組んでいることを継続してPRするため、さらなる施策の発展を求める声も聞かれる。ホテルニューステーション(中央1)の小林篤史社長は「『メードイン松本』の素材で歯ブラシを作り、市内施設で統一して取り扱うなどの取り組みも有効では」と提案する。
環境・地域エネルギー課は「まずは今回の施策に取り組み、効果を検証しながら次の展開につなげていきたい。事業者とも意見交換しながら進めていければ」と話している。