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蟻ケ崎が再び接戦制し3回戦へ 高校野球長野大会

蟻ケ崎8回無死3塁から、宮澤が右中間に勝ち越しの2塁打を放ちガッツポーズを見せる

 第106回全国高校野球選手権長野大会は10日、県内4会場で2回戦8試合を行った。中信勢は松本蟻ケ崎が佐久平総合技術とのシーソーゲームを制し、3回戦進出を決めた。初戦となった松本県ケ丘と松本美須々ケ丘はともにコールド勝ちで好発進した。松本工業と大町岳陽は涙をのんだ。11、12日は試合がなく、3回戦は13日に始まる。

 勝ち越した直後の6回、ここまで力投してきた蟻ケ崎の主戦大平倫暉(3年)が四球と自らの失策で、再びリードを許してしまった。何とか1点差にとどめたが、「失策した時は落ち込んだ」と下を向きかけた。
 だが、打線が主戦の背中を押した。8回、相手のミスを逃さずに同点とし、なおも無死3塁の絶好機。打席に入った2年生の宮澤愛麒は「1人で頑張って投げている先輩を助けたかった」と、高めに入った初球をはじき返した。右中間への2塁打となり、塁上で「よっしゃ」とガッツポーズを見せた。大平は「信じていた。頼もしい限り」と後輩の活躍をたたえた。
 市川優一監督は「粘り強く接戦に持ち込み、終盤で勝ち越すチーム」と語る。3、4、5回は打線が1点ずつ着実に得点を重ね、大平もバックを信じて投げ、終盤につなげた。チームの持ち味を全員で発揮し、つかみ取った夏の2勝目。宮澤は「自分たちの野球ができた」と納得の表情を見せた。