災害忘れず 安全な地域に 南木曽・梨子沢土石流10年 記念碑に献花 決意新た

中学生1人が亡くなり建物43棟が被災した平成26(2014)年7月の南木曽町梨子沢土石流災害から10年を迎えた9日、町では献花式や防災研修会が開かれた。町や砂防の関係者らが犠牲者の冥福を祈り、10年の節目に防災の決意を新たにした。
献花式は被災地跡に建てられた「平成じゃぬけの碑」の前であった。碑は当時流された岩を使い、地元で土石流を指す「蛇抜け」から名付けられている。参列者約60人は1分間の黙とうをささげ、花を手向けた。
向井町長は「災害を教訓に、安心して暮らせる地域となるよう力を合わせ努力したい」とあいさつした。
町の新入職員代表で献花をした内山太翔さん(26)は、犠牲となった榑沼海斗さん=当時(12)=に触れ「海斗さんの思いを背負い、記憶を忘れず安全なまちづくりに携わりたい」と話した。災害当時に町長だった宮川正光さん(76)は「自然災害は人の手ではなくせないが、被害を防げるよう用心をしていかないと」と述べた。