政治・経済

松本市が電子錠を公共施設に導入へ 本年度に実証実験 鍵を借りる手間なくなる

市有施設への設置が計画されている電子錠

 松本市は、公共施設を対象に「鍵のデジタル化」を進める。現在、体育館や公民館は利用者が鍵を借りて扉の開け閉めをしているが、暗証番号を入力する電子錠などを導入することで、事前に鍵を借りる必要がなくなり、利便性向上につながる。本年度中に実証実験を行い、来年度の本格導入を検討している。

 対象は小中学校の体育館や公民館など約100カ所になる。本年度一般会計補正予算に、実証実験に充てるための鍵デジタル化事業費770万円を計上した。来年3月から4カ月間、4施設で実証実験を行って課題などを洗い出し、来年度中に他の施設への導入を計画する。
 電子錠はインターネットに接続され、利用者が公共施設予約システムで予約すると電子錠解錠の暗証番号が知らされる。利用当日に利用予定の体育館や公民館に出向き、暗証番号を入力することで解錠できる。
 市によると、現在は施設を管理する事務室に平日の昼間などに出向き、管理人から鍵を借りる必要がある。電子錠などを導入すれば、鍵を借りる手間が省ける。暗証番号は予約者専用の番号が割り当てられる。ネット環境が整っていなかったり、扉の形状が電子錠に向かなかったりする施設は、電子キーボックスの導入を検討する。
 市DX推進本部は「市民からの要望もあり、利便性向上につなげたい」と話している。