義仲支えた「巴」 音色で表現 木曽町中吹奏楽部 郷土ゆかりの楽曲に挑戦 中信コンク 来月演奏へ

木曽町の木曽町中学校吹奏楽部は、7月15日に松本市で行われる県吹奏楽コンクール中信地区大会(B編成)に向けて、地元にゆかりのある平安末期の武将・木曽義仲を支えたとされる女武者・巴をテーマにした楽曲「ある女の生涯~能『巴』の物語によるファンタジー」を練習している。部員19人は今月、義仲の里・日義地域を巡って理解を深め、美しく強い巴のイメージを共有した。自由曲として挑戦する楽曲の完成度を高めている。
能楽「巴」に着想を得て昨年作曲されたばかりの楽曲で、巴の生涯を追うかのように展開していく。合戦を思わせる勇ましく華やかな場面、義仲との別れを惜しむ沈痛な場面などが浮かんでくる。
部員は1日、日義の旗挙八幡宮や南宮神社、徳音寺などを見学した。義仲館では、スタッフの青木紘美さん(39)から『平家物語』や『源平盛衰記』の紹介とともに「後の時代になるほど、義仲と巴が恋人であってほしいという願いが反映されている。曲の中にも、ほんの少し入っているかもしれませんね」と助言を受けた。
本年度から同校吹奏楽部に加わる日義中1年・島田希紗さん(12)は「小学生から知っていた巴が曲になったのは驚き」と話し、部長の木曽町中3年・林竜之介さん(14)は「みんなのイメージが一つになり、音が合ってきた。特に曲の終盤であふれ出る巴の思いを乗せたい」と意気込む。
顧問の渡澤由香教諭は「木曽ならではの曲をやらねばと思った。コンクールでいい演奏をした後に、義仲・巴の育った地で地域の皆さんに聞いてほしい」と話していた。