木曽町福島の水無神社でみこし造り始まる 無事の完成祈り手斧始め式

白木のみこしを縦横に転がす勇壮な祭り「みこしまくり」で知られる木曽町福島の水無神社で18日、今夏の例大祭に向けたみこし造りが始まる。「重さ100貫」(約400キロ)と伝わるみこしは祭りの度に壊してしまうため、毎年新調する。
7月22、23日の本番に向け、職人2人が腕を振るう。町木造住宅推進協議会の会員社から造り手を選んでおり、今年は加藤組(木曽町福島)の中島義昭さん(64)と森本建設(同)の畑口弘幸さん(60)が担う。図面はないため職人の腕と勘が頼りといい、完成まで約3週間、連日の作業が続く。
祭りでは、23日の夕方から午後11時ころまでみこしをまくり(転がし)続けるため、あまり早く壊れて補修に時間がかかると支障をきたす。みこしを造るのは8年ぶり3回目という中島さんは「最後までまくれるように」と丈夫さを意識したい考えだ。3年連続で制作に携わる畑口さんは「担ぎ手に喜んでもらえるよう心を込めて励みたい」と意気込んでいる。
みこしを造り始める神事「手斧始め式」が16日に営まれた。境内の作業小屋に据えられた長さ4・6メートルの用材に2人の大工が乗り、柄の曲がった手斧で表面を削り、小気味よい音を響かせた。氏子総代ら約30人が神事を見守り、みこしの無事完成を願った。