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木曽駒登山 安全を祈願 上松町で開山式 中央アルプスに夏

山々を望む木曽駒ケ岳の登山口で参加者が安全を祈願した開山式

 中央アルプス・木曽駒ケ岳(標高2956㍍)の上松側ルートの開山式が15日、上松Aコース2合目付近の登山口で開かれた。主催する町や町観光協会のほか、山小屋関係者ら計約20人が出席し、夏山シーズン本番が迫る中で今季の安全と盛況を願った。

 参加者は青空が広がり目の前に中アの山々を望む中で神事をした。大屋誠町長は「大きな事故がなく、多くの皆さんに親しまれる場所となるよう願いたい」とあいさつし、登山の安全を守るよう各機関の協力を求めた。羽毛田盛雄観光協会長は、令和2年に中アが国定公園に指定され、ライチョウの復活事業も進む状況に触れ、登山者に「安全安心に魅力を楽しんでもらいたい」と願った。
 同コースは日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストン(1861~1940)も利用した。町などによると、山頂までは木曽前岳を経る約8㌔、8時間ほどの行程となる。風化で崩壊が進んでいる箇所もあるといい、注意を促すとともに、観光協会への事前の情報確認を呼び掛けている。町内には他に麦草岳を通る上松Bコースがある。