連載・特集

2024.6.16 みすず野

 きょうは「父の日」。先日、もう一人の「みすず野」氏も書いていたが「母の日」よりも影が薄い気がする。氏が言う通りひがみなのか、それとも家庭での立場を映しているのか。世のお父さん、どう思います?◆『まいにち暦生活』(ナツメ社)によると、米国で男手一つで子供6人を育てた父親の娘の一人が「父の日」制定のきっかけをつくった。同国で父の日は1966(昭和41)年に6月第3日曜日と定められて、1972年に国民の祝日となった。「日本では1980年代にデパートの販売戦略によって広く知られるように」なった◆自身を振り返ると、折り合いが悪く衝突もしばしばあったことから父の日に洋服やセカンドバッグを贈ったのは、晩年に片手の指があれば足りるほど。にもかかわらず、自分は毎年何かしてほしいと思うのはあまりに虫がいい。われながら勝手なものだ◆かといって孝行しようにも、もう仏壇の前で手を合わせるくらいしかできない。生前にはなかったいろいろな思いが、亡くなって年月がたつと不思議と湧いてくる。「父の日の一灯残す仏間かな」曽根新五郎。感謝は生きているうちに伝えたい。