王滝・滝越公民館 歴史館に 林鉄や伝説の資料展示

王滝村の滝越公民館が今月、木材搬出や滝越の住民の移動手段として暮らしを支えた森林鉄道や、地元の伝説などが学べる歴史館として生まれ変わった。村の中心部から西へ山や峡谷越しに離れた王滝川最上流部にある滝越地区は人口減少が進み、現在2人しか住んでいないため、公民館機能を残したまま、村の補助金を使って施設の大部分を展示スペースとして有効活用した。
鎌倉幕府の内乱「宝治合戦」に敗れた三浦一族の1人が滝越地区に落ち延びて王滝の三浦氏の先祖になったという伝説などを解説する資料が展示されている。昭和50(1975)年までに廃線となった森林鉄道の紹介コーナーには、林鉄スクールカー「やまばと号」の運転士だった区長の三浦征弘さん(86)が所有する写真と、村外から寄贈を受けた写真が100点以上並ぶ。
1日に開所式が行われた。足を運んだ村民らが、林鉄に乗降する子供たちや車窓からの景色などの写真などを興味深そうに眺めていた。三浦さんは関連資料があれば展示を増やしていく考えで「後世に残していくためにも、関連知識がある人はぜひ意見を寄せてほしい」と話していた。
来館する際は三浦さん(電話090・4950・7106)に事前連絡する。