大門商店街に憩いの場 むつみの郷塩尻「まちなか保健室」開設

塩尻市の大門商店街にある福祉複合施設・むつみの郷塩尻に今春開設された地域交流サロンが、市民の憩いの場となっている。気軽に立ち寄ってもらおうと無料で開放し、お茶を飲みながらの語らいや、看護や介護の専門職への相談ができるようにしている。運営会社は、商店街の活性化に貢献することも目指して、幅広い世代が集う企画を行っていく考えでいる。
老人ホームや高齢者向け賃貸マンションが入る5階建ての施設の1階に設け、4月に開業した。名称は「まちなか保健室塩尻」で、毎週火・木曜日の午前10時~午後4時に営業している。音楽鑑賞や読書、手芸などをして自由に過ごすことができる。看護師や介護福祉士、理学療法士らが日々の困り事の相談に応じている(予約制)。
現在は70~80代の利用が多いが、世代間交流や、市民と老人ホームの利用者の交流ができるよう、子育て家庭や学生にも利用を呼び掛けていく。81歳の現役ケアマネジャーで、スタッフの小林末子さんは「気分転換をしに来てほしい。赤ちゃんを連れたお母さんもゆっくりしてもらえたら」と話す。子育て孫育てのための学習会や、住民ボランティアによる趣味を生かした講習などを企画したいという。
松本地方で老人ホームなどを運営する、ほっと・はあとグループ(松本市蟻ケ崎5)が初めてサロンを開設した。他地域で開業する際のモデルケースにする。髙坂達博社長は「頼れる人がそばにいるような福祉施設、開放型の施設にして、地域に還元したい」と話している。