小説『安曇野』復刊の資金に 安曇野市がクラウドファンディング

安曇野市は、堀金三田出身の作家・臼井吉見(1905~87)の小説『安曇野』の復刊に向け、費用の一部を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。『安曇野』を出版した筑摩書房(本社・東京都)と文庫本の再販で合意した。来年2月に市内で復刊本のお披露目会を開く。
寄付受け付けは30日に始め、31日午後5時までに目標とする100万円の3分の1に当たる34万5000円が集まった。一定額以上を寄付した個人や企業、団体には、巻末に氏名や名称が掲載され、お披露目会と販売会の先行受け付けが可能な特典がある。
市は本年度一般会計予算に関連の709万円を計上した。筑摩書房が全5部の文庫本800セットを復刊する計画で、400セットは市が市内外の学校や図書館などに寄贈し、残りの400セットを一般販売する。価格は調整中だが、1セット7040円(税込み)を見込む。8月27日までの受付期間内に目標金額を上回る寄付が寄せられた場合は、復刊するセット数が増える。
市役所で31日にあった定例会見で、太田寛市長がCFの概要を説明した。太田市長は「多くの人に復刊に参加してもらうためCFを実施した」と説明し、小説『安曇野』の魅力が広く伝わるよう願った。
寄付の方法は市ホームページに掲載している。特典は、個人で1万円以上、市内の企業と市内外の団体で5万円以上、市外の企業で10万円以上を寄付すると対象となる。問い合わせは市政策経営課(電話0263・71・2401)へ。