アヤメ満開 涼しげ3万本 木祖村菅 農業用ため池で

木祖村菅にある農業用のため池「あやめ公園池」で、花を絶やさないようにと地元有志が精を出しているアヤメが、今年もきれいに花を咲かせた。新緑に映える涼しげな青紫色の約3万本が、しっとりと水辺を染め上げている。
一帯はかつてアヤメが群生した湿地帯だった。昭和48(1973)年のため池完成後に群生地は消えたが、住民が岸辺にアヤメを植え、かつての面影を伝えている。平成22(2010)年には農林水産省が選ぶ「ため池百選」に選定されている。
風景写真の撮影がライフワークで「あやめ池はホームグラウンド」という児野幸通さん(81)=薮原=は、アヤメが一輪咲いた5月中旬から足しげく通っている。湖畔を朝霧が包んだ30日は日の出前からカメラを構え「朝日が差し込み、アヤメがまとった露が輝く瞬間がなんとも美しい」と話していた。