教育・子育て

小中学生の悩み事相談 アプリで対応 塩尻市教委 全員が持つ端末機に導入

市内の全小中学校へ順次導入する「こども相談チャットアプリぽーち」の画面

 塩尻市教育委員会は来月、市内全小中学校の児童生徒が1人1台持っているタブレット端末機に、アプリ「こども相談チャットアプリ ぽーち」を導入する。毎日の心身の健康状態をチェックできるほか、匿名によるチャット(ネット経由の即時対話)形式で悩みを相談できる。子供に身近なデジタルツールを使って小さなSOSにいち早く気づき、相談体制のモデルを構築する。

 アプリは児童生徒がそれぞれのIDやパスワードでログインし、毎日の気分や体調を「いい」「そこそこいい」「ふつう」「あまりよくない」「わるい」の5段階で選択・入力する。分析結果によってはアプリが相談を促し、対面やチャットで市教委の相談員につなげる。チャット相談のみの利用もできる。
 入力は24時間可能だが、相談員を介する対応は原則午前8時半~午後5時15分となる。運用しながら改善を図る。組合立を含めた4500人を対象とし、声に出して訴えるのが苦手な子の救済策になるとみられる。
 昨年10~11月の1カ月間、塩尻西小学校5年生44人と広陵中学校1、2年生の324人に実験的に導入した。小学校では匿名相談はなかったが、中学校では数十人から延べ300回ほど多種多様な相談が寄せられたという。
 国の令和5年度補正予算を活用した「不登校児童生徒等の早期発見・早期支援事業」の一環で、文部科学省の実証モデル事業として県教育委員会が受託し、市が県と共同で取り組む。29日の定例記者会見で、百瀬敬市長は導入について「チャットで気軽に相談できることで、子供に寄り添った対応ができるのではないか」と期待していた。