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妻籠の地域バス 利用最多 南木曽 外国人旅行者に人気 昨年度7万人超

昨年度の利用者が最多となった妻籠宿を通る地域バス。外国人旅行者が多くを占める(妻籠バス停)

 南木曽町の旧中山道・妻籠宿を通る町の地域バス2路線の利用者が昨年度、計7万3208人で、町が統計を始めた平成19(2007)年度以降で過去最多となった。大半を外国人旅行者が占めるといい、人気の高さを示す一方で、運賃の支払いなどに時間や運転手の対応の負担がかかる課題も出てきている。町は乗車券を事前に購入できるシステムの導入などで、利便性向上や負担軽減を図る。

 対象は馬籠線と保神線で、町の委託でおんたけ交通(木曽町福島)が運行する。ともにJR南木曽駅を発着し、馬籠宿(岐阜県中津川市)を結ぶ馬籠線は昨年度で4万6695人、広瀬地区へ向かう保神線は2万6513人が利用した。これまで最多だった令和元年度の計5万8809人から、1万4399人(24・5%)の大幅な増加となった。
 両路線は運賃の支払いが現金のみで、旅行者が支払いや両替の方法を運転手に問い合わせ、乗り降りに時間がかかるケースがあるという。町は対策として昨年12月から、妻籠宿内の観光案内所でバス乗車券の販売を始めた。カードや電子決済の対応もしており、案内所によると「一定の利用がある」という。今年3月にはスマートフォンで買える電子チケットを導入。町と包括連携協定を結ぶ名古屋外国語大学(愛知県日進市)の学生と共同で、バスの乗り方を紹介する英語の案内動画も昨年に作成した。
 バス停や観光案内所に電子チケット、動画のチラシを張り、旅行者に発信している。担当の町もっと元気に戦略室は「にぎわいがあるのはありがたいこと。運転手や利用者の負担軽減をし、円滑な運行を維持できるようにしたい」と話している。