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まつもと市民芸術館が 第2期大規模改修に着手

メンテナスで舞台照明が降りた状態の主ホールの舞台。老朽化したワイヤやケーブルを交換する

 松本市は本年度、まつもと市民芸術館(深志3)の第2期大規模改修工事に着手する。工期は8年度までの3年間で、主ホールは令和7年10月~8年3月の1年半、小ホールは8年9月~2月の年、オープンスタジオは8年6月から2カ月間、それぞれ閉鎖される。築20年が経過した舞台設備の機能維持を図る。

 舞台と客席の照明は発光ダイオード(LED)に更新し、劣化した外壁は塗装し直す。主ホールは昇降天井をつるすワイヤや、制御機器を改修する。高齢者に配慮し、客席の斜路(スロープ)に手すりを設ける。小ホールは照明設備を更新し、オープンスタジオは床の張り替えを実施する。
 閉鎖期間は公演や集会など利用ができないため、市は芸術館の公式ホームページで周知している。松本市水汲のキッセイ文化ホールや塩尻市のレザンホールなど、近隣の施設の利用を案内する。
 第1期大規模改修工事は平成30(2018)年度から令和2年度にかけて実施され、総事業費約20億円で主に音響設備を改修した。第2期の総事業費は33億円と試算されたが、市は削減を図るため、実施設計の内容を精査する業務を日本大学名誉教授の工学博士・本杉省三氏に委託した。本杉氏の意見を反映させ、30億円を下回るように調整する。
 主ホールが使えない1年半の自主事業は、演者が地域に出向くアウトリーチを検討している。市文化振興課の清澤明子課長は「市民に迷惑、不便をかけるが、施設の安全を確保するため理解を求めたい。館にこだわらない公演の在り方を模索したい」と話している。