政治・経済

松本市、水道料金引き上げを検討 決定なら昭和63年以来

 松本市は本年度、水道料金引き上げの検討に踏み切る。給配水管の更新費用の増大や物価高騰の影響で事業費が増加している一方、人口減少などで料金収入は減っている。来年度から水道事業の赤字が見込まれる状況となったことを受け、6月3日に市上下水道事業経営審議会に諮問して速やかに検討に入る。引き上げ改定となれば、昭和63(1988)年以来となる。

 市のシミュレーションだと、水道事業の純損益は本年度は1000万円の黒字となるが、7年度から毎年1億円を超える赤字となる見込み。料金改定は平成19(2007)年8月の引き下げ以降行っておらず、市の水道料金は県内19市中16番目(口径13ミリ、10立方メートル以上20立方メートル以下の場合)の低さとなっている。経営審議会は、本年度いっぱいをめどに審議を進める。
 21日の市議会建設環境委員協議会に報告し、承認された。委員からは引き上げを視野に「丁寧に検討し慎重に審議してほしい」などの意見が上がった。
 水道料金の改定は令和2年度以降、全国の自治体が行っており、県内では上田市が3年10月に8.3%、飯田市が今年1月に18%、それぞれ引き上げている。