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大好きな深海魚を初捕獲 鎌田中1年の宮下さん

深海魚の飼育や研究に情熱を注ぐ宮下さん

 深海魚が大好きな松本市の宮下孔伽さん(12)=鎌田中1年=がこのほど、新潟県のヒスイ海岸で希少な深海魚・サケガシラを捕まえた。友人に依頼してはく製に加工中で、7月27日~8月4日に梓川アカデミア館(梓川倭)で開かれる「魚魚展」でお披露目する。深海魚に関する研究発表もあり、準備に大張り切りだ。

 サケガシラを捕まえたのは4月14日。宮下さんたっての希望で、ホタルイカが波打ち際に大量に打ち上げられる「ホタルイカの身投げ」を狙って、家族で新潟県を訪れた。浜辺で網を手にホタルイカを採っていた午前4時ころ、ヘッドライトが照らす先にギラギラとした銀色の輝きを見つけた。網ですくい上げると全長1メートルほどの細長い魚がおり、特徴的な赤い背びれで「サケガシラだ!」と分かった。自宅で深海魚を飼育しているが、自分で捕獲したのは初めてで「興奮した」と振り返る。
 サケガシラは通常、水深数百メートルの海に生息している。魚魚展の主催者で魚類はく製作家の小川貴光さん(58)=松本市笹賀=は「孔伽君の深海魚への情熱がサケガシラを呼び寄せたのかも」とほほ笑む。サケガシラは、生きている姿をしっかり観察した後、小川さんに師事する岐阜県の高校生に託した。
 物心ついたころから深海魚に夢中だったという宮下さん。魅力を「ミステリアスでロマンがある。分からないことがたくさんあるのが良い」と語る。自室には魚のポスターや図鑑、自ら手がけたはく製がびっしりと並ぶ。夢は「信州の中心にある松本に水族館をつくること」。夢に向かって、深海魚の研究に日々情熱を注いでいる。