教育・子育て

松本市がヤングケアラー対応の専門員配置

 松本市は本年度、家族の介護や家事などを日常的に行う子供「ヤングケアラー」への対応として、当事者を必要な支援につなげる専門員「ヤングケアラー・コーディネーター」を1人、こども福祉課に配置した。市内の小中学生を対象に実態調査も行う方針で、当事者が声を上げやすい環境を整える。

 市内の児童福祉関係団体でつくる市要保護児童対策地域協議会が16日に開いた会議で、市が報告した。
 当事者の家族には障害者や高齢者、外国籍の人などがいる。ヤングケアラー・コーディネーターは社会福祉士の有資格者で、児童虐待などにつながるリスクが高いと判断した家庭に対し、定期的に状況確認に出向き、必要があれば養育支援や介護保険サービスなどにつなげる。
 市が2月現在で把握しているヤングケアラーは8世帯・15人。一方、新規の家庭児童相談は増加傾向にあり、令和5年度の受理件数は681件(前年度比43件増)と過去最多だった。市はヤングケアラーが潜在している可能性もあるとして、小学5年生から中学3年生までの全ての子供を対象に実態調査を行い、対策を進めたいとしている。