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眺望で注目の霧訪山で安全祈願祭 地元住民が登山者の無事祈る

神事で玉串をささげる人たち。登山者も加わった

 塩尻市と上伊那郡辰野町にまたがる里山・霧訪山(1305メートル)の北小野側登山口で12日、安全祈願祭が開かれた。低山ながらも絶景を楽しめるため来訪者が急増していることから、登山者や関係者の無事を祈ろうと地元住民が初めて企画した。

 登山道を整備し、山野草を増やしている「霧訪山山友会」と、麓の環境を整える「守人の会」の有志が計画した。祈願祭は25人ほどが出席。小野神社の宇治橋淳宮司が祝詞を奏上し、両団体の関係者や登山者が玉串をささげた。登山に訪れた辰野町の男性(29)は「霧訪山は登りやすく、展望もいい。花も多い」と魅力を話し、安全に気を付けながら山頂を目指して出発した。
 霧訪山は、県山岳総合センター(大町市)が行った投票企画「信州の里山・総選挙!(冬山編)」で1位になったこともあり、県内外で認知度が高まっている。
 山友会の会長で塩尻市北小野の渡辺八郎さん(76)は「里山とはいえ、登山には危険も伴う。四季を通じて安全で、美しく、楽しめる山を目指したい」とあいさつした。守人の会の会長で同市北小野の赤羽功さん(72)は「いつか祈願祭をやりたいと考えていた。実現できてよかった。毎年続けたい」と笑顔で話していた。