地域の話題

野菜高騰で家計直撃 4月の記録的高温影響

安い時の4倍の値段がついているキャベツ。隣で地場産のレタスを特売するなど、消費者の手に野菜が届くよう工夫を重ねている(13日、松本市の食彩スーパーF岡田店)

 全国的に4月の気温が記録的に高かったことなどを背景に、野菜の価格が高騰している。野菜の生育が進み過ぎたり、病気が出たりといった事情で出荷が減っている。中信地方でも卸値が高くなり、スーパーや青果店の小売価格も上昇している。物価高の中で、仕入れ値の上昇分を販売価格に上乗せできない小売店、さらに家計の負担が増す消費者ともに苦しい状況が続く。

 松本市岡田下岡田の食彩スーパーF岡田店では13日、Sサイズのキャベツ1玉を198円で販売した。2玉108円で販売する安い時に比べ、4倍の水準になっている。ブロッコリーは298円、セロリは1本198円など、安い時の2倍から4倍になっている。専務の山本綾子さんは「規格の小さな物を買ったり、半分や4分の1にしたり、地場産のレタスを2玉108円の特売で販売したり、なんとかお客さまに届くように工夫している」と語る。
 市内で個人の青果店を40年営む女性は「ここまで野菜が高かったことはない」と嘆く。キャベツを仕入れ値より安い250円で販売するなど、苦しい状況が続く。「独自のルートを持つ問屋を数軒回るなど、少しでも安く買い付けているが、どうしようもできない状況」と話した。
 野菜の高値は、消費者の財布も直撃している。松本市の70代の女性は「ブロッコリーを買うのは諦めた。炒め物はキャベツを少しに、もやしを中心にするなど、なんとかやりくりしている」と話していた。
 気象庁によると、4月の平均気温は北・東日本とも昭和21(1946)年の統計開始以来、最も高温になった。
 R&Cながの青果松本支社によると、キャベツやブロッコリーの卸値は先週、ピーク時で1玉500円まで高騰した。セロリや白菜、大根なども高値が続いている。ブロッコリーは高温に加え、産地で病気が発生し、出荷量が少なくなっているという。