政治・経済

種もみを直まきにドローン 麻績・市野川の水田で実験

農業用ドローンで水稲の種もみを直まきする実証実験を行う関係者たち

 麻績村市野川の水田2枚(約10アール)で14日、農業用ドローンを使い水稲の種もみを直まきする実証実験が行われた。中山間地域での稲作の省力化を目的に、村内で減農薬・減化学肥料農業に取り組む農業団体「OMIMO(おみも)」と、松本市並柳1のドローン総合サービス業・サニーバード(田中康司社長)、JA松本ハイランド麻績支所が初めて企画。コシヒカリの種もみ約3キロを直まきしスマート農業の効果を検証した。

 種もみは大手農薬メーカーのシンジェンタ・ジャパン(東京都)が開発した「リゾケアXL」で、同社によると病害虫の防除に対応する薬剤などがコーティングされ保存性や発芽安定性に優れる。県内ではすでに安曇野市や佐久市で導入実績があるという。
 実験には地元やメーカー関係者、県松本地域振興局職員ら約20人が立ち会った。時速15キロで飛行する農業用ドローンで種まきした結果、5分程度で作業は完了し、同じ面積の作業効率性では苗パレット約20枚・作業時間約1時間を必要とする通常の田植え作業に差をつけた。
 水田を管理するおみもは今後、それぞれ異なる管理方法を試して収量や作業効率を検証し、有効なら徐々に導入面積を広げたいという。麻績支所理事でおみも代表の久保田芳永さん(63)=市野川=は「手応えが実感できれば地域の組合員にも紹介したい。スマート農業を通じ次世代へ農地を継承できれば」と話していた。