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しの笛の新曲 能登地震被災地復興願い 塩尻五百渡太鼓保存会の山本亮二会長19日に披露

はざまさん(左)の伴奏でしの笛の新曲を演奏する山本さん

 塩尻市の和太鼓団体・塩尻五百渡太鼓保存会の会長・山本亮二さん(32)=塩尻市塩尻町=は、能登半島地震の被災地復興を願い、しの笛の曲「前へ」を作った。「曲を聴き、少しでも前進していこうという気持ちになってほしい」との願いを込め、心に響くメロディーに仕上げた。19日に市内のレザンホールで開くチャリティーコンサートで披露する。

 山本さんはこれまでも、しの笛の曲を手掛けてきた。懸命に生活を立て直そうとする人たちの姿をテレビで見て、新曲を作りたいと思い立った。ふと湧いた旋律を基にパソコンソフトも活用して約4分間の曲にまとめた。19日は閉会式で山本さんがソロで奏でる。コンサートに出演する松本市のピアニスト・はざまゆかさんが伴奏する。
 このほどコンサートに向けた練習会があり、山本さんがピアノ伴奏付きの楽譜を用意して太鼓仲間に披露した。柔らかな旋律はすぐに聴く人の心をつかんだ。苦しむ人たちに寄り添い、共に歩もうとする誠実な思いが伝わったようで涙を浮かべる人も。はざまさんは「西洋的なメロディーラインが美しい。被災地の人たちへの思いが伝わってくる」と話した。信州塩尻阿禮太鼓の増田くみ代表は「(後半に向けて)羽ばたいていくイメージ。(山本さんは)ピアノも弾けると聞いてはいたが、こんな優しい曲を作れるとは」と驚いた。
 19日正午に開会する「歌とピアノと和太鼓のチャリティーコンサート」は、山本さんと増田さんが共同代表となり実行委員会を結成して主催。収益を活動資金とし、塩尻商工会議所や漆器産業による輪島市とのつながりや、現地の和太鼓団体との縁を生かしつつ、被災地に出向いて継続的に支援する。山本さんは「ぜひ能登の人に新曲を聴いてもらいたい」と願う。
 コンサートチケットは1000円。問い合わせは桔梗太鼓の宮幸生代表(電話090・2324・3892)へ。