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移住者73人 過去最多 木曽町 昨年度 20、30代多く 子供連れも

 木曽町はこのほど、令和5年度のUターンなどを含めた移住者数が73人になったと発表した。町移住サポートセンターや補助金制度を活用して転入した移住者の統計を取り始めた平成30(2018)年度以降最多となった。

 移住者は20代が最も多く、30代が続き、子供連れの家族も目立った。町は、子育て環境の充実や起業支援の施策、大都市圏での情報発信の強化などがプラスに働いたとみている。
 移住の経緯を見ると、県内の他市町村を経て移り住むケースが多く、中部圏域から直接移住するケースも少なくない。関東圏域からの移住も増えている。
 移住先は、商業施設や公共施設がそろっていて利便性が高い福島地域が全体の半数以上を占める。
 家業である開田高原末川のパン店と連携した新事業を考えている渡邉晟さん(25)は、福井県出身の妻・莉里さん(25)とともにUターンした。「町が実施している創業ゼミなどの起業支援や関連する補助金制度は大きかった」と話している。
 一方、増加した移住者を受け入れる住宅の確保が課題だ。人口減に伴い空き家が増えており、町民課の岩井航太係長は「定住促進に向けて空き家の活用を推進しながら、就活中の学生への情報発信も強めていきたい」と話している。