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生坂村が観光庁モデル地域に 豊かな自然環境を生かし再来訪促進

観光庁の「第2のふるさとづくりプロジェクト」事業のモデル実証地域に採択された生坂村。豊かな自然環境を生かす

 生坂村は、観光庁が進める再来訪促進型の観光事業「第2のふるさとづくりプロジェクト」の本年度のモデル実証地域に採択された。豊かな自然環境を生かして「生物多様性」や「ネーチャーポジティブ(自然再興)」をテーマとした新たなツーリズムを提案し、今夏から初の体験学習ツアーを実施していく方針だ。

 観光庁によると、事業は「日本のどこかに、お気に入りのまちを見つけて、何度も通ってみる」をコンセプトに「旅」と「移住」の中間として足しげく通う新たな生活様式の提案を支援する。生坂村は、応募55団体のうち12団体の一つに選ばれた。県内の採択は、令和4、5年度の下水内郡栄村、5年度の小県郡長和町に続き3例目。
 村は、大手旅行会社・クラブツーリズム(東京都)や松本山雅FC(松本市)などと連携。県内外の都市圏に住み自然への関心が高い若者や現役世代向けに、修了時にフェロー(村公認研究員)認定が受けられる全6回の「ネーチャーポジティブスクール」を今夏開校する。次年度以降も行い、自然再興への関心がある企業の協力も募り、フェローと村民らで生物多様性などの再生の取り組みを模索していく計画だ。
 生坂村は野鳥や昆虫、水生生物が多く生息する森林や川、湖沼が各地にあり、下生坂雲根には村の脱炭素事業モデル地区「いくさか『創造の森』」がある。事業の立案に取り組む上生坂の合同会社ヒッタイショの星野亜紀子さんは「事業を通じ村の自然に対する村外者の理解を深め、村民も価値を再発見する機会になれば」と話している。