2024.5.23 みすず野
写真展へ足を運ぶのは楽しみの一つだ。なかでも動物をテーマにした写真は見飽きることがない。会場を一回りしてから、もう一度1点ずつじっくりと見る。撮影者の思いが伝わってくるような作品を前にすると、足が動かなくなる◆松本市の自然観察インストラクター・丸山隆さんの写真展「立体派の里山動物」が開かれている同市波田文化センターの会場には、ニホンリス、ムササビ、ホンドテンの生き生きした姿をとらえた作品30点が並ぶ。最初の1点から足が止まり、なかなか次の作品へと進まない◆ニホンリスが水を飲む様子を写した1枚には驚いた。沢の流れに口を寄せている。リスは里山で何度も見ているが、こんな姿は初めてだ。ムササビは地元の寺が生息地だが、夜行性でもあり、まだ見たことがない。空中を移動する一瞬をとらえた作品が目を引く。テンがカメラに向かって威嚇する表情をとらえたカットには胸が躍った◆長く小紙の写真コラムを担当されている。会場の作品には、被写体に寄せた丸山さんの思いがあふれている。動物たちは、それに応えるかのように、生き生きとした姿を見せている。6月4日まで。