政治・経済

町議会に新風 若返り 南木曽 山下さん、藤原さん 初当選

手作りのたすきを提げ、妻の友美さんと握手で当選を喜び合う山下さん(21日午後10時10分ころ、吾妻の自宅で)

 21日に投開票が行われた南木曽町議会議員選挙(定数10)は、いずれも無所属の農業・山下航さん(43)=吾妻=と喫茶店経営・藤原昭次さん(52)=同=の新人2人が初当選した。議員の平均年齢は63・5歳となり、改選前と比べて5・2歳若返る新議会のメンバーは、23日から4年間の任期が始まる。

 今町議選は現職全10人と新人2人が出馬。共産党現職の坂本満さん(73)=読書=がトップで4選を果たした。新議会は女性1人を含み、共産党が1人で、他が無所属になる。
 山下さんは妻の友美さん(40)と二人三脚で選挙戦に臨んだ。のぼり旗とたすきは手作りで、2人で町内を回った。インターネットも活用して発信した。農業者を志して11年前に大阪府から移住した山下さんは、町の人口減に危機感を抱き「農家の経験や移住者としての目線を生かし、次世代へつなげる町づくりに貢献したい」と意気込む。
 藤原さんは身近な人たちへの声掛けに徹し、従来の定石だった選挙カーで地域を回り演説する方法を取らなかった。「負担の少ない方法」を探り、仕事のある若い世代が立候補しやすい形をつくりたい―との思いからだった。過疎化が進む町で「人口対策など具体的な目標を立て、形を築きたい。期待を裏切らないように取り組む」と引き締める。
 今町議選の投票率は75・02%で、前回選挙戦だった8年前から4・07ポイント下回った。町選挙管理委員会は投票率低下の理由について「一概には言えない」としつつ、投票所に行くことが難しい高齢者の増加など幾つかの要素が背景に考えられるという。ある現職は「住民の反応が少なかった」と振り返った。
 前議長で6選した山﨑隆二さん(71)=田立=は、議員のなり手不足解消など「新人の新しい目線も入った中で、さまざまな課題への取り組みを検討しなければ」と話した。
 22日は町役場で当選証書付与式があり、議員10人と、無投票で町長選に3選した現職・向井裕明さん(64)=読書=が証書を受け取った。

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