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仁王様に泣き元気百倍! 波田で股くぐり祭

仁王像の股下を泣きながらくぐり抜ける幼児

 松本市波田上波田の阿弥陀堂前にある仁王門で20日、県宝・木造金剛力士像の股下に幼い子供をくぐらせて、健やかな成長を願う伝統行事「仁王尊股くぐり祭」が2日間の日程で始まった。うららかな陽気の下、子供の元気な泣き声と見守る家族の笑い声が響いている。

 高さ約2・6メートルの仁王像は鎌倉時代の作とされ、幼児が仁王像の股下をくぐるとはしか(麻疹)が軽く済み、丈夫に育つと伝えられている。突然知らない大人に抱き抱えられ、恐ろしい形相をした仁王像の股下をくぐった幼児は大泣きし、家族は笑顔で写真を撮ってわが子を迎えていた。
 地元の浅石綾香さん(35)は前回も参加した長男・理仁ちゃん(3)がすっかり"免疫"を付け笑顔でくぐり抜ける様子に「最初はあんなに嫌がっていたのに」と目を細め「強く育ってほしい」と願った。
 新型コロナウイルス禍を経て昨年は特別に秋季開催となった。通常通りの春季開催は5年ぶり。行事を担う上波田高齢者クラブの藤澤忠雄会長(78)は「昨秋は、行事を再開する大変さと続けていく大切さを実感した。通常通りに開けて良かった」と喜び「今後もこのほほ笑ましい光景を守り続けたい」と話していた。
 21日は午前9時半~午後4時に開催する。阿弥陀堂はアルピコ交通上高地線渕東駅から徒歩約10分。

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