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松本市立病院が在宅療養推進へ勉強会 医療・介護連携で患者支える

在宅療養のあり方について議論する医療や介護の従事者

 松本市立病院(松本市波田)は、患者が自宅で療養できる「在宅療養」の推進に力を入れている。市立病院と地域の介護・医療関係者が「在宅療養を支える会」を立ち上げ、各種の勉強会などを行っている。医療従事者や在宅介護を担うスタッフらが情報共有や意見交換をしながら、在宅療養者やその家族を支える体制をつくっている。

 人口減少が続き、今後、病院のベッド数の増加が見込めない中、自宅で安心して療養できる環境を整えようと、令和2年9月に支える会を立ち上げ、半年に1回のペースで定例会を開いている。市立病院で先月行われた定例会には過去最高となる約50人が集まり、グループディスカッションなどで議論を重ねた。
 これまでの定例会では認知症ケアやフレイル対策、尿管カテーテルのやり方など、在宅での医療方法や注意点について医療や介護の従事者らが学び、その成果が地域の在宅療養に生かされている。市立病院地域医療連携室のソーシャルワーカー・増島澄子さんは「在宅療養を希望する高齢者の思いに添えるようにするためには、地域の医療と介護の連携は不可欠」という。
 市立病院がある市西部地区は少子高齢化が著しく、奈川や安曇などの中山間地域は病院に通うのが難しい高齢者も多い。支える会の立ち上げメンバーの一人で、病院近くの介護老人保健施設・のむぎの施設長・奥原ます子さんは「高齢者が自宅で安心して医療や療養ができるように、本人や家族が相談できる機会も設けていきたい」と話している。

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