地域の話題

「カフェあげつち」地域の憩いの場に 上土女性部が引き継ぎボランティアで運営

地域の憩いの場となっているカフェあげつちでコーヒーを入れる女性部メンバー

 松本市役所近くの上土通りにある「カフェあげつち」は、通り沿いで営業していた商店のおかみさんたちでつくる「上土女性部」(増田志津子部長)がボランティアで切り盛りしている。かつて店先で交わしていた心通う会話を求めて訪れる常連客が多く、地域住民の生活の一部となっている。

 カフェは市下町会館1階にある。女性部は昨年5月、地元商店主らの「あげつち商店街振興組合」から運営を引き継いだ。餅店や飲食店を営業していたメンバー8人が毎日交代で店に立つ。常連客は、仕事前に立ち寄る人、お昼を食べた後にコーヒーを飲みに来る人などさまざまで、ほぼ毎日顔を見せる。たまに来ない日があると「具合でも悪いのか」と心配になるという。  メンバーにとっても客との交流が楽しみで、生地店を経営していた下澤照美さん(70)は「家にいてもつまらない。ここに来ていろんな人と話すことが生きがい。世界が広がる」と語る。かつて家業の靴店を切り盛りしていた鈴木幸子さん(73)も「2歳のころから上土だが、昔はあらゆる店があってにぎやかで、ここから出なくても必要なものは全部そろった」と振り返りつつ、「今はだいぶ変わってしまったけれど、それでも昔ながらの人間関係は残っている」と地域の魅力を語る。  最近は外国人をはじめとした観光客も多く、店に活気が出ている。鈴木さんは「いろんな人が憩える店にしたい」と張り切っている。  カフェの開店時間は午前10時~午後4時で日曜定休。