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74~89歳の4姉妹 福祉慰問活動に幕 塩尻のみどりシスターズ

田川の郷での最終公演に臨む「みどりシスターズ」の伊藤さん、田中さん、柳沢さん、横内さん(右から)

 74~89歳の4姉妹でつくり、塩尻市内外の福祉施設で慰問活動を続けてきたグループ・みどりシスターズが今月で活動を終えた。三女・伊藤いくみさん(77)=塩尻市広丘原新田=が代表を務め、詩舞や歌、踊りなど多彩な演目で高齢者らを楽しませてきた。ステージは12年間で80回を数えたが「4人合わせて320歳を超えた。元気で声が出るうちに」と惜しまれつつも解散を決めた。

 グループは亡き母親・青木ミドリさんの名前を冠した。伊藤さんのほか長女の横内覚代さん(89)=松本市里山辺、次女・柳沢孝子さん(84)=塩尻市広丘原新田、四女・田中しはすさん(74)=松本市野溝西=の4人で、平成24(2012)年ころに結成。育ててくれたミドリさんと父親・喜源次さん(故人)への感謝の思いを胸に、特技を生かして主に高齢者の施設を巡り、元気な芸を届けてきた。
 このほど塩尻市広丘吉田のデイサービスセンター田川の郷を訪れた。横内さんは扇を手に菊水流詩舞「信濃路松本城」をりりしく舞い、田中さんが美声で吟ずると、お年寄りからは拍手や「いい声だ」との声援も。伊藤さんと柳沢さんはバランスボールに乗って弾みつつ、ばちでボールをたたきながら「村祭り」を朗らかに歌った。
 センターの職員も加わって踊ったアカペラダンス「銀座カンカン娘」も好評で、利用者らは手拍子をしながら一緒に歌って楽しんだ。センターの塩原学所長は「年2回ほど懐かしい歌などを聞かせていただいた。利用者さんと同じ世代だからこそ伝わることもあった」と感謝した。
 グループは塩尻、松本、安曇野市などの施設を訪れ、多い時には年16回の慰問をこなした。伊藤さんは「施設の利用者や職員の皆さんも一緒に踊り、歌っていただき、助けていただいた。幸せだった」と晴れやかな表情で話していた。