連載・特集

2024.3.23 みすず野

 江戸時代、全国で10カ所しかなかった寛永通宝を鋳造する銭座が松本にあった。それは、もっと多くの住民が知り、誇りにしてもいい歴史の一端ではないだろうか。過日の小紙「ミュージアムから」で、松本市立博物館の宮下慶祐学芸員が寛永通宝「松本銭」について書いておられた◆松本銭座は旧『松本市史』の記述から、鍋屋小路(現通称あがたの森通り、飯田町から宮村町にかけての辺り)にあったことは分かっているが、位置の詳細は確定されていない。寛永14(1637)年から17年まであった◆お金の話では、先ごろの小紙「こどもタイムス」で7月3日に発行開始の新紙幣が取り上げられていた。デザイン刷新は20年ぶりで、150年以上にわたり培った偽造防止技術の結晶がちりばめられているという。肖像の偉人は近代日本経済の父・渋沢栄一、日本の女子教育先駆者・津田梅子、近代日本医学の父・北里柴三郎◆クレジットカードや電子マネー、スマホでQRを使うといったキャッシュレス決済が盛んになる社会で現金は以前と比べて、どのくらい必要なのだろう。とはいえ、デジタル技術にあまり依存するのも危険か。

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