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お舟祭り担ぎ手区外からも募集 安曇野・岩原地区の山神社 保存会の会員減少 

舟の担ぎ手を募集するポスターをPRする保存会のメンバー

 安曇野市堀金烏川の岩原区の祭典保存会は今年、区内の山神社で4月に営むお舟祭りでのお舟の担ぎ手を区外からも募集する。同祭りは市の無形民俗文化財に指定されている市内唯一の担ぎ舟だが、近年は担ぎ手不足が課題になっていた。新型コロナウイルス禍の影響で舟を担ぐのは5年ぶりとなり、今年を機に祭りのにぎわいを取り戻したい考えだ。

 担ぎ舟は長さ9メートル、高さ4メートル、幅2メートルで、通常は神社の約300メートル東にある「舟張り場」で組み立てられる。本祭りの日に保存会が神社まで担ぎ、境内を3周した後、舟を坂に転がして壊す。昨年は感染防止などのため、境内で舟を作って展示するのみにとどめた。
 今年は多くの人に祭りを見てもらおうと、4月14日に近くの国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区のガイドセンター前で骨組みを作る。宵祭りの27日に五色の幕などを飾り付け、本祭りの28日に公園から神社まで担いで登る。福まきなどの催しも検討している。
 舟の製作や担ぎ手はこれまで、18~50歳の岩原区民でつくる保存会が担ってきた。しかしコロナ禍を機に活動に参加する会員が減少し、現在の実動部隊は45歳以上を中心とした20人ほどだ。約1トンの舟を担ぐには少なくとも30人が必要で、尾日向和孝会長(49)は「今動いている会員が抜けると担ぎ舟ができなくなってしまう」と危機感を募らせる。
 氏子総代の百瀬新治さんによると、山神社は昭和38(1963)年まで、烏川渓谷の林野に入会権を持つ24村で祭られてきた。舟も麓の村々が交代で担いでいた歴史があるという。百瀬さんは「ピンチをチャンスに変え、昔のように勢いのある祭りにしたい」と願う。
 保存会自体も今後規約を改正し、定年以上の元会員を相談役にしたり女性も会員になれたりと、参加しやすい形に変えていく。尾日向会長は「伝統ある祭りを守っていきたい。賛同してくれる人はぜひ来てほしい」と広く参加を呼び掛ける。
 担ぎ手の希望者は4月14日までに申し込む。申し込み・問い合わせは尾日向会長(電話090・4158・4274)へ。

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