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最先端の水研究の成果発信 信大が松本でイベント

信州大学の取り組みが紹介されたトークセッション

 水と水由来のエネルギーを循環させ、地球環境の再生を目指す「アクア・リジェネレーション」分野の研究を国の助成を受けて強化している信州大学は8日、「水都信州week」と銘打ったイベントを松本市中央2の信毎メディアガーデンで開いた。9日には体験型プログラムや展示もあり、市民に最先端の研究活動を紹介する。

 初日はキックオフイベントが開かれ、企業や研究機関の関係者約90人が来場し、100人余がオンライン参加した。中村宗一郎学長はあいさつで「地球上にある水の10万分の1しか使えない。水をいかに有効に、高度に使うか。人間の知恵が試されている」と述べ、水問題が世界的に深刻化する中でアクア・リジェネレーション分野の取り組みの重要性を強調した。
 トークセッションでは五つのテーマで、信大が開発した素材や技術を用いた研究や実証事例が発表された。このうち先鋭材料研究所長の手嶋勝弥卓越教授は、ろ過材に「信大クリスタル」を用いた電力不要の簡易浄化プラントをアフリカの村に設置し、有害な自然由来のフッ素を除去した事例を紹介した。こうした取り組みを世界に広げられる可能性を示し、「みんなでアクションを起こしましょう」と呼び掛けた。
 9日のイベントは午前10時から午後4時まで開かれる。

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