地域の話題

「みんなのたんか」25日で終了 高ボッチ高原FMの番組

最後の収録に臨む池田さん、藤森さん、七音さん(右から)

 コミュニティー放送局・高ボッチ高原FM(89.4メガヘルツ)のラジオ番組「みんなのたんか」が、25日の放送で終了する。池田舞衣パーソナリティーと塩尻短歌館の藤森円指導員が担当し、毎週月曜日午後7時から30分間、「短歌の里」の塩尻市から、歌の魅力を発信してきた。新年度は藤森さんが多忙になることから、110回目の放送分で区切りをつけることにした。

 番組は地元の小学生が日常的に短歌を詠んでいることを伝えようと、同FMが開局(令和3年)した翌年の4年2月に始まった。当時は新型コロナウイルス禍の真っただ中で、児童を局に招くことはできなかったが、月の前半は広丘小学校と吉田小学校の児童が詠んだ歌を紹介した。後半は地元季刊誌『文芸しおじり』に掲載された短歌と俳句を取り上げた。藤森さんの淡々としながらも軽妙な語り口も人気だった。
 このほど市内の歌人・七音さんを招き、3人で18日と25日分を収録した。18日の放送分では『文芸しおじり』に載った福井妙子さんの歌「少しづつ祈りのかたちほぐれ来て百合の花びら遂に開けり」について、七音さんは「祈りのかたちと捉えたことはなかった。すてきな短歌」と語った。七音さんの「枯れ果てた僕の心を薪にして凍える君と焚火をする夜」の歌も紹介。藤森さんは「愛する相手への思いがある」と評した。同社のホームページで収録を知ったリスナーの男性(45)も駆け付け「毎回楽しみだったので残念」と惜しんだ。
 池田さんは「短歌の鑑賞には正解はない。一つの作品を読み、いろいろな人の感想が聞ける」と妙味を語った。昨年末や今年2月には市内の児童らを局に招いたといい「子供の出演は念願だった。友達の作品を自分の言葉で語ってもらうことができた」と晴れやかな笑顔で語った。