政治・経済

発達障害児支援を高校まで 松本市がインクルーシブセンター設置へ

 松本市は新年度、発達障害がある子供を乳幼児期から高校卒業まで切れ目なく支援する「インクルーシブセンター」を設置する。就学前の幼児を主な対象とする現在の「あるぷキッズ支援事業」を拡充し、学齢期を迎えた児童・生徒の教育支援に対応する。なんぷくプラザ(双葉)3階にあるぷキッズ支援室をセンターとして活用し、相談体制を充実させる。

 保健、福祉、医療、教育など専門的な知識を持つ職員を増員し、発達障害の子供たちをあらゆる分野から支える。市内小中学校に既に配置されている特別支援教育コーディネーターと連携を深め、センターで受けた相談は学校に連絡した上で協力して問題解決に当たる。
 設置の背景には、発達障害の子供が増えている現状がある。発達障害児の統計はとっていないが、あるぷキッズ支援事業が始まった平成22(2010)年度に23件だった小学生の相談(実数)は、令和4年度は126件と5・5倍に増えている。こうした状況を受け、専門家でつくる特別支援教育推進協議会は令和3年度、市に学齢期の発達障害児を支援する体制を整えるよう提言書を提出していた。
 市は市議会2月定例会にインクルーシブセンターの役割や機能を明記した、発達障害がある子供らを支援する条例案を提出しており、新年度当初予算案に関連予算2629万円を計上した。
 市こども福祉課あるぷキッズ支援担当の山﨑ひとみ課長は、「学齢期で悩みを抱えた子供たちが困っている期間を可能な限り短くするため、支援に力を入れたい」と話している。

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