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坂北の伝統行事「狐の嫁入り」写真で伝承 復活願い山岸さんが企画展

山岸さんが撮影した「狐の嫁入り」の写真を展示している会場

 筑北村坂北の複合施設ちくほくjumble・ユニバーサルカレッジ(j・UC)昇降口ロビーの「筑北アートギャラリー」で、坂北・青柳宿の伝統行事「狐の嫁入り」の写真展が開かれている。坂北のアマチュアカメラマン・山岸秀敏さん(79)が撮影した行事の写真7枚で、長く地元住民に愛されながら担い手不足などで"無期限休止"となった行事の様子が活写されている。3月末まで。

 同行事は7年目に1度行われる青柳宿の里坊稲荷神社の奇祭で、白ギツネに扮した地域の男衆が嫁入り行列で青柳宿を練る。例年より1年遅れの今年3月下旬に開催予定だったが、中止が決まった。
 展示しているのは平成17(2005)年、23年、29年の過去3回分の写真で、白塗り化粧に白ギツネの面をかぶって運ばれる花嫁役や、運ぶ男衆のユーモラスな姿がいきいきと描写されている。
 山岸さんは30年ほど前から同行事を毎回撮影し行事の公式カメラマンも担った。お気に入りの写真を同施設へ寄贈し展示の運びとなった。山岸さんは青柳宿での竹灯籠行事や江戸時代さながらに股旅姿で歩く旅行イベントも記録しており「狐の嫁入りは古い風習や伝統が感じられるのが魅力。復活すればぜひ撮影したい」と語る。