蘇門公の生涯 びょうぶに 木曽代官山村家の名君 8枚つづりの絵本 木曽町図書館展示

木曽谷を治めた尾張藩木曽代官の山村家9代目当主で、財政再建や文化振興に尽くした名君として知られる山村蘇門公(1742~1823)の生涯を8枚つづりの絵本として描いたびょうぶ『木曽代官 山村蘇門』がこのほど、完成した。切り絵調の絵柄と平易な言葉で、木曽のために力を注いだ偉人の功績が紹介されている。木曽町図書館で18日まで展示されている。
同町三岳のデザイナー・山下勝彦さん(48)が「幼い子供たちにも興味を持ってもらいたい」と発案し、町教育委員会生涯学習課と共に県地域発元気づくり支援金を活用して制作した。
木枠とアルミニウムの複合板製で、1面が縦1・8㍍、横90㌢。広げると幅が約7㍍にもなる。作品に味わいを添える文字は、町内の小学生親子がデザインした。手作業で切った文字をデータとして取り込み、山下さんが文章として配置した。
絵本には、食事の時も惜しんで読書に熱中した幼少期、家臣の石作駒石と共に全国の学者から学んだ若い頃、天明の飢饉を乗り越えるために力を尽くしたこと、尾張藩の家老に登用されたことなどが描かれている。
蘇門公没後200年の節目だった昨年の11月に完成した。町役場や町内小中学校でも巡回展示されており、青木裕美恵館長は「地元はもちろん他市町村の皆さんにも見てもらえる場所なので、ぜひ足を運んでもらえたら」と話している。
展示は午前10時~午後6時(土日は5時)。入場無料。