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マツモト建築芸術祭へ準備進む

博物館の屋上で作業を進める中島さん

 松本市の松本城公園にある、旧市立博物館を主会場に開催するマツモト建築芸術祭(実行委員会主催、23日~3月24日)に向けて準備が進んでいる。一部の作家が松本入りし、屋外で作品制作に励んでいる。

 現代美術家・中島崇さん(52)=東京都大田区=は、約160メートルある旧市立博物館の周囲を、梱包材のストレッチフィルムで覆う。作業は7日に着手。8日は南側の面で、高さ12メートルある屋上から地面に幅50センチの透明のフィルムを下ろし、上下それぞれで固定した。中島さんとアシスタントら4人で作業。フィルムは1本300メートル巻きで60本用意した。
 マツモト建築芸術祭は3回目の開催で、市街地を巡った前回までと異なり、今回は旧市立博物館に作品を集める。中島さんは前回、前々回に続いての参加になる。ストレッチフィルムは前々回にアルモニービアンの屋上、コーヒーラウンジ紫陽花の壁面で使用した。
 8日に張ったフィルムは太陽光に反射し、風に揺られていた。フィルムを張り巡らし、始点と終点の間にあるものを可視化するのが中島さんの作品。「関係性」が作家としての主題となる。旧博物館には建物としての良さがあり、解体される前に、「(市民や観光客に)見つめ直したり、知ったりする機会にしてもらえれば」と話していた。