連載・特集

2024.2.19 みすず野

 電気ポットのお湯が沸くと、電子音のメロディーが流れる。洗濯機も洗い終わると同じように音が流れて教えてくれる。炊飯器もそうだ。こうした暮らしの中にあるメロディーの多くは、クラシック音楽が使われていて、知らないうちに偉大な作曲家の曲を耳にしていると知った◆音楽プロデューサー・渋谷ゆう子さんが著した『生活はクラシック音楽でできている』(笠間書院)が教えてくれた。例えば著者の家の炊飯器からは、モーツァルト作曲「キラキラ星変奏曲ハ長調」が、洗濯機からもモーツァルトの「ピアノソナタ第11番イ長調」が流れている◆家電のほか、テレビ番組・コマーシャル、映画、アニメ、運動会などに使われているクラシック音楽を紹介し、作曲家と曲が生まれた背景などを解説している。小学校の音楽室に貼られていたバッハのカーリーヘアやモーツァルトのくるくるした髪がかつらだった理由なども書かれている◆もうひとつ、紹介した曲はQRコードが付いていてすぐに聴ける。曲名は知らずとも普段耳にしていた音楽がクラシックの有名な曲だと教えられるのは楽しい。その曲がこんなにもあふれている。

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