教育・子育て

現役生徒も発言 塩尻市内県立2高校再編統合 県教委の懇話会で意見交換

意見を述べる志学館高校の生徒たち(上)、提言をする田川高校の生徒たち(下)

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 県教育委員会は昨夏以降、塩尻市内の塩尻志学館高校(総合学科)と田川高校(普通科)を再編統合する「塩尻総合学科新校(仮称)」について意見を聞くため、市内で懇話会を開いている。両校や地元の関係者らが出席する場で、今年に入りようやく具体的な意見交換が始まった。魅力ある学校づくりに向け、在校生も多様性や地域連携の重視など、積極的に提案している。

 初回の懇話会では県教委が県立高校の再編・整備計画(3次)を説明した。新校は総合学科(単位制)となり、普通科目、専門科目など幅広い科目を学べるという。2回目では総合学科のある県外の高校から副校長を講師に招いて先進事例を学び、イメージを共有した。
 今月11日に3回目の懇話会があり、両校の生徒代表が各校の特徴を説明。新校で大切にしてほしい点も提言した。
 志学館の生徒は「これからの社会に合った、多様性を取り入れた校則づくりを」「学年の壁が少しでも薄くなるように、日常的に全学年が関わりを持てるようになってほしい」と述べた。田川高校の生徒は「将来の高校生が『自分は主人公だ』と思えるような活気あふれる学校になるといい」「地域から大切にされ、(地域と)つながりのある学校に」と望んだ。生徒に触発された他の参加者も活発に意見を交わした。両校の強みを生かし、全国からも注目される高校を望む声が目立った。
 開校までは7~8年はかかる見込み。県教委は懇話会で出された意見を反映し、再編実施基本計画を決定した上で、令和7(2025)年2月にも県議会の同意を得たい考えだ。懇話会は今後も数カ月に1回のペースで続ける。学校像に加え、新校で活用する校地や校舎、生徒の募集開始時期がどうなるかも注目される。住民や在校生、卒業生が納得でき、将来の受験生にも選ばれる学校づくりに向け、県教委には調整力と創造力が求められそうだ。